「夏は涼しく、冬は暖かい」ということは、家造りを行う上で誰もが実現させたい基本事項と言えます。
冷暖房に頼ることなくエコな暮らしを求める人が多いのです。このように快適な暮らしを得るためには、気温・湿度・風・放射熱という4つの要素を上手にコントロールすることが大切なのです。人が快適だと感じる気温は20~25℃、湿度は40~60%の間です。これに心地よい風、物が発する熱エネルギーである放射熱という要素が結びついた体感温度が快適さを決めるポイントとなります。体感温度を快適に保つ方法はさまざまです。風の通り抜けやすい間取りにすることで夏を涼しくすることができます。
家の中に寒さを入れず熱を逃さないための技術である気密や断熱にこだわることで冬の暖かさを実現していくことができます。中でも断熱には、構造部分を断熱材でくるむ外張り断熱と、壁の中に断熱材を詰める充填断熱があり、施工方法もさまざまです。そして、断熱材においても種類が多数あるため、適した施工方法と適した断熱材を取り入れる必要があるのです。外気温に影響されることのない住まいにするには、窓の日射遮蔽性や断熱性も非常に重要となります。冬の暖房時の熱が流出する割合は、屋根5%、床7%、換気・外壁15%、窓58%です。夏の冷房時に熱が入る割合は、床3%、換気6%、外壁7%、屋根11%、窓73%です。この数字を見ても窓の重要性は一目瞭然です。そこで断熱性の高い断熱サッシを用いて、複層ガラスにする家庭が増えています。そうすることで外気温に左右されることのない住まいとなりますし、冷暖房効率も高められるのです。
これらに注目し、夏は涼しく、冬は暖かい住まいを手に入れましょう。