住まいというのは、長い年月の間、厳しい自然環境に曝されます。
新築当初は、どんなに完ぺきな住まいを作ったとしても、長い時間経過や厳しい自然環境や建材の劣化などにより、住まいにも多くの
不都合が生じてしまいます。例えば、地震や長雨です。最近は、比較的大きな地震が割合多く起こるようになってきました。外張り断
熱を採用した場合、その大きな揺れにより、断熱材が落ちてしまうことがあります。外張り断熱は、住まいの壁の外側を断熱材で隙間
なく、包み込むことで、断熱の効果が最大限に発揮されますし、構造としての壁を守ることができます。その断熱材や外装材が落ちて
しまうと、断熱の効果が激減するだけでなく、外側の断熱材と壁の間に雨水や湿気が侵入してしまいます。
私の友人が住まいを新築する時、外張り断熱を採用しましたが、外側に設置する断熱材と外装材が地震などでずれてしまわないかと
心配になりました。通常、釘で固定していますので、断熱材、外装材の材質や厚さについては、ある程度の制限があります。しかし、
最近は、断熱材、外装材を固定する専用の支持具材が出ているそうです。お陰で、厚みのあるサイディングやレンガやタイルなどの重
みのある外装材でも、大丈夫になりましたし、断熱材の厚みにも制限が無くなりました。釘のように点でなく、広い面で支えるので、
断熱材や外装材がずり落ちることを防ぐことができます。
先日、震度5弱の地震が起き、点検してもらいましたが、大丈夫でした。近所では、外装のサイディングが落ちてしまって、修理にまとまった修繕費用が必要になったそうです。また、サイディングが落ちるまでには至らなくても、断熱材がずれていたのに気付かず、そこに結露が生じて、壁までカビが発生して、深刻な問題になることもあるそうです。住まいは長い年月住むものですから、構造に関わることは大切なことです。